2025/07/23

Taiwan Today

外交

呉外交部長、「諸外国の選挙への介入を企む中国にとって、台湾での成否は試金石に」

2024/01/10
外交部の呉釗燮部長(外相)は9日午後、台湾の総統選挙に関心を寄せる海外メディアを招いて総統選挙前説明会を開催した。呉部長は「諸外国の選挙への介入を企む中国にとって、台湾での成否は試金石となる」として、警戒を高めるよう呼びかけた。(外交部)
外交部の呉釗燮部長(外相)は9日午後、海外メディアを対象とした総統選挙前説明会を開催し、台湾の選挙に対する中国の介入の手法や様態について深く分析した。呉部長は「諸外国の選挙への介入を企む中国にとって、台湾での成否は試金石となる」として、警戒を高めるよう国際社会に呼びかけた。
 
呉部長はパワーポイントを使ったプレゼンテーションを行い、中国が軍事的脅威、政治的威嚇、経済的利益による誘惑、サイバー攻撃、フェイクニュース、認知戦等のハイブリッド戦略で台湾の世論を操作し、今回の選挙(1月13日投開票)が「戦争か平和」または「繁栄か衰退」かの選択であるかのようなイメージを作ろうとしていることを、実例を挙げながら説明した。呉部長はまた、2024年は世界で40以上の重要な民主選挙が行われるとした上で、中国は台湾の選挙介入に成功したならば、この経験をもってその他の民主国家の選挙にも介入することになるだろうと警告した。さらに、「台湾は中国の権威主義拡張を食い止めるための最前線に位置する。台湾の有権者たちは民主主義を守りぬくだろう。国際社会も台湾とともに、権威主義の中国が民主国家の選挙に介入するのを阻止して欲しい」などと呼びかけた。
 
その後の質疑応答で呉部長は、「台湾は一貫して開放的な態度をとっており、政治的前提条件を設けずに中国との平和的な対話に臨みたいと願っている。残念なことに中国は強硬な立場を崩さず、グレーゾーン作戦によって台湾への威圧を繰り返している」と述べた。呉部長はまた、選挙の結果がどうであれ、台湾海峡両岸の平和と安定はすでに台湾にとって、ひいては世界にとっての「共通認識(コンセンサス)」となっていると指摘した上で、台湾が今後も温和且つ責任ある態度で台湾海峡の現状を維持し、自衛能力を強化し、そして民主陣営と手を携えて中国が無謀な行動を起こさないよう抑止し、台湾海峡及び周辺地域の平和と安定を守っていくことを約束した。
 
今回の正副総統選挙が経済に与える影響について尋ねられた呉部長は、「台湾はかねてより市場のメカニズムと企業の自主的な発展を尊重してきた。近年中国の経済成長は明らかに鈍化し、市場の魅力もかつてほどではなくなっている。中国進出する台湾企業の多くが投資先を変更しており、外資の対中国投資に占める台湾企業の比重はピークの80%から、現在では10%前後にまで低下している。台湾の中国経済への依存度も大幅に低下している。その一方で、台湾はその他の国々との経済・貿易関係の開拓や深化に取り組んでおり、民間企業による投資や工場の設立、あるいは二国間協定などによって経済・貿易分野での相互交流が加速している」と説明した。
 
台湾では今月13日(土)、第16代正副総統選挙と立法委員(=国会議員)選挙が同時に実施される。この選挙には海外メディアも高い関心を寄せている。外交部はこれまでに、30か国、150社以上のメディアに属する記者、あるいはすでに台湾に駐在する記者などのために取材許可証を発行したり、関連の取材イベントの申し込みを受け付けたりしている。
 

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